『モダン・パラダイス展』

RikoS2006-10-13



★☆☆『モダン・パラダイス展』〜10/15 東京国立近代美術館(竹橋)
http://www.momat.go.jp/Honkan/Modern/index.html


ゲルハルト・リヒターの作品もあるようで気になり行って来た。
金曜日は8時までやっているので、サラリーマンやOLさんらしき人が多い。
今週末までなので、混んでた。
まぁ上野にある美術館のようなぎっしり人が列をなすことは無く、観やすい。


絵画もあれば、写真も彫刻もある。
抽象画もあるし、モネもマティスピカソもあれば、
棟方志功杉本博司やなぎみわなどもあり、幅が広い。
写真の展示があると思わなかったので、結構気になる写真あって嬉しかった。
この展示のチラシを観ると派手で有名作品がばしばしありそうな印象を受けるが、
実際観て見ると全体的な印象はなんだか地味な展覧会。
でも一枚一枚観ていくとなかなか面白く味わい深かった。


一番引き込まれたのは、"セバスチャン・サルガド"の3枚の写真。
難民キャンプの写真。空気が透明で鋭敏。
少女と目が合うのだが、その目の力強さや清らかさ、訴えるような目。
違うところを向いている少年の目もきれいで、
明らかに私達東京のサラリーマン・OLたちの目の輝きと違う。
私にはこの子達に何をしてあげられるのだろうかと考えてしまう。
直接的には何もしてあげられない…そう分かっているだけにもどかしい。


藤田嗣治の戦争の大きな絵画に再び会えると思わなかった。
やはり巨大な力を感じる。
そして『藤田嗣治展』で観たときの会場フロアや他の戦争を描いた絵を鮮明に思い出す。


あと、久々に見た、岡村桂三郎
とてつもなく巨大な屏風のような木の板に象が2匹、向き合うように対になって描かれている。
黒地に金色で描かれ、見る角度によって光る部分が変化する。
迫力あり、荘厳。
大きなフロアにこの作品が一つだけあっても面白いだろうなっと感じる。


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常設展も、面白かった。
ついつい、"常設展"だから展示そんなに変わってないだろうから飛ばしちゃえって思いがちだけど、
こはちょこちょこ展示替えをしているし、
観るときの精神状態によって気になる作品って違うから、
以前気にならなかったものが今回は気になったりするので時間があれば、ぜひ、"常設展"観るべき。


初めてみた川端龍子の『草炎』は黒地に緑がかった金色で草が描かれ、
"月明かり"に映し出された草のようだった。


屏風や掛け軸のような絵で余白の空間とかバランスが絶妙な作品があるので、
そういった作品に沢山触れたい。
目で感じたり心の片隅に入れておけば
自然と自分が撮る写真にも出てくるんではないかなぁっと期待しつつじっくり目に焼き付ける。