■府中と三鷹

RikoS2006-07-15



今日は「府中市立美術館」と「三鷹市民ギャラリー」へ


■『アートとともに―寺田小太郎コレクション 』〜7/17 府中市美術館(東府中)
http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/terada.html


ここは、企画展・常設展・牛島憲之記念館・公開制作と
さまざまな作品が観れるので面白い。あと市民ギャラリーもある。


今回の企画展は、寺田さん個人のコレクションなので
寺田さんの好みが反映されているのだが、それも興味深い。
抽象的な絵が多いが、うさぴょんの絵などかわいらしい若手の作品も購入されている。


「いいなぁ〜私も自分の好きな作品を集めて美術館開きたい〜」と
夢のようなことを思ってしまう。


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■『没後30年 郄島野十郎展』〜7/17 三鷹市美術ギャラリー(三鷹)
http://mitaka.jpn.org/calender/gallery/069.php


"郄島野十郎(やじゅうろう)"さんのことは全く知らずに行った。


一番初めに目に入ってくる作品が《傷を負った自画像》は首と足に傷があり、表情はうつろな目。


病んでいるのか、世間を敵にまわしたいのか挑戦的な表情にも見える。
「こんな絵から始まる展覧会っていったいどんな展覧会なんだろう?」
と思いきや、茶系の色が多く、穏やかな作品が多かった。
そして驚くことが多かった。


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HPにも載っている《すいれんの池》の大きな絵の目の前に立った時、
私は「睡蓮が浮かんでいる部分だけ切り取った絵があったらなぁ〜」と思った。
そうしたら、
展示の一番最後に、まさに私が思い描いた絵《睡蓮》があり、かなり驚いた。


「うわぁ〜やっぱり描いていたんだ、ステキ〜!」と喜びつつ、
「どうして、こんなに離れて展示してあるんだ?」と思ったら、
なんとその作品が"絶筆"だった。


《すいれんの池》は昭和24年作。絶筆は昭和50年。
26年間にその睡蓮を何枚描いたが知らないが、
画風が変化する中で、この《睡蓮》をどんな思いで描いたのだろう?


その《睡蓮》の絵は
とても静かで、穏やかで、はかないようで強い感じもする。
でも上を向いて咲く白い花には、なんだか希望を感じる。


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普段はあまり興味の沸かない静物画にも足が止まる。
緊張感や凛とした部分があったり。
なぜかりんごやブドウなどにも惹かれる。どうしてなんだろ?


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またしても、ぐるぐる何周もしてしまったのだが、
《月》《蝋燭》の作品は特にじっと見入ってしまった。


《月》の作品はどんどんシンプルになって月しか描かれていない作品も何枚かあるが、そこに闇が見える。


《蝋燭》の作品は10点展示してある。
会場の光を抑え、作品にだけ光を当てているので、作品が浮かび上がる。


静寂。炎が上に伸びている。その先には何があるのだろうか?
天に昇るような感覚を受ける。


蝋燭の炎は特に力強くないし、メラメラしているわけでもない。
"ただそこに存在している"感じがした。
見ているうちに、この蝋燭は"命"なのかなぁ?と感じた。


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個展の場合、その人の画業をじっくり見ることができる。
美術館の常設展で、作品が2・3点並んでいても、
なかなか目にとまりにくいんじゃないかなっと思う。


この展示は17日(月)まで、昼間は混んでいるようそう。
20時まで開館しているから、夕方以降が狙い目かと思う。