第3弾『上野→恵比寿』

-■『伊藤隆道展』 IN 東京藝術大学大学美術館
http://www.mov-art.co.jp/takamichi/
入場無料だったので、ぐるっとパスはつかわず。非常に『面白い空間・体験』だった。


曲線を描いたライン(棒)が、動いている。
ただそれだけなのだが、そこから広がる世界がとても広く面白い。

丸い球体の上を曲線のラインを描いた物体が回転しているのだが、
あたかも丸い球体の上を自由に泳いでいるかのように見えてくる。
視覚で捕らえたものよりも早く、脳みそが先走ってイマジネーションを広げる。
錯覚なのだろうか?

光と動きで、「固い物体」があたかも液体のようなグニョグニョ柔らかい物のように
見えてきたり。
9本の曲線を描いたラインが立っていて、それが回転している作品があったが、右回りか左回りかで、
上昇したり下降したりしているように見えてきて、自分の身体や心もつられて、浮遊する。


広々とした展示のフロアは、天井も高く天井から自然光も入るので、夕方だとまたちょっと違う空間になるのかなぁ?
とても楽しい空間だったのに、この展示が本日最終日ということが非常に残念である。



-■『旧東京音楽学校奏楽堂』
http://www.taitocity.net/taito/sougakudou/index.html
ちょうど前を通りかかったら、あと10分後にチェンバロのコンサートがあるとのこと。
入館料(ぐるっとパス可)だけで聴くことができるので早速入ってみた。


『日曜コンサート』第1・第3日曜はチェンバロ演奏、第2・第4日曜はパイプオルガン演奏
(演奏時間 午後2時と3時の2回、各30分間の演奏)


ここは2度目の訪問。レトロな雰囲気が良い。
チェンバロの音色は日常の中では触れていない音色でとても新鮮だった。
ピアノよりも機械的な音。テケテケペキペキ♪(←ちょっと違うかな?)なんだか鉄っぽい感じがした。
鍵盤に触れてみたくなった。固いのかな?軽いのかな?


バッハの曲など約30分。日常から離れて、ヨーロッパの石畳や教会を連想した。
コンサートが終わり余韻と共に建物を出たが、上野公園に広々と広がる快晴の青空がとても心地良かった。




-■『植田正治展』IN 東京都写真美術館(恵比寿)
http://www.syabi.com/schedule/details/ueta.html
こちらも最終日。だからか混んでいたので、途中で会場を出て休憩してからまた再入場。
さすがに閉館間際は人が少なくなりのんびり遠目から写真をぐるっと眺めたり、何周もして楽しんだ。

砂丘」シリーズや「童暦」シリーズ、回顧展ということで初期から晩年の作品まで一望できて興味深かった。
ちょっとした違和感のある雰囲気や、白と黒のコントラストやシンプルな画面から生まれる雰囲気が面白い。


会場に大きく表示されていた植田正治さんの言葉
①「写真することがとても楽しい」
はて?「写真すること」ってどういうことなんだろう?


②これも「写真」なのか、ということを実践してみました。
なるほど。いろいろな作品がある。
私も写真を写すので、「いろいろやってみればいいのか」と勝手に創造意欲が湧いてきた。
植田正治の写真を観ていたら、なんだかそこにある写真の雰囲気とは関係なく、どんどん楽しくなってきた。


先月観た『杉本博司展』とも異なるし、ドキュメンタリな土門拳たちの写真とも異なる植田正治の写真。
写真からもさまざまな世界が創造されるのだなぁと改めて感じた。